メーカーがカタログで語らないピアノの説明①bシリーズ
当店スタッフがヤマハピアノのご説明をこちらでさせていただきます。
まずは【bシリーズ】
ヤマハインドネシア工場で製造され「ヤマハの音色はそのままに、いかにコストを押さえて市場にお出しするか」を考え抜かれたヤマハピアノ。インターネット上でこの品番の書き込みを見ると我々スタッフが思う評価と裏腹に「海外製だから作りがしっかりしていない」「鳴りが不十分」など良くない噂が多く見られます。
今回はその【bシリーズ】の良いところを、ご紹介いたします。
b113・b121という品番の数字はピアノの高さを表しています。一般に響板面積が大きくて、弦長がとれるほどいい音、良い響きが味わえるといいますが、このbシリーズは限られた高さの中に、ヤマハの技術が集約されています。
●トップサポート
ピアノの高音部の天屋根を開けたところに、トップサポートを採用しています。通常は1枚目の写真のように収納されていますが、回転させると2枚目のように天屋根を少し開けた状態を固定できます。これは演奏者の座るピアノの前に音抜けをサポートするもので、弦が響いている音や、背面の響板から発するピアノの音を心地よく届けてくれる役割を果たします。
ぜひ、演奏する際は、ピアノのカバーなどを外し、トップサポートを使用して演奏していただきたく思います。また、天然素材の木材を使用して作られたピアノですので、天屋根を開けることによって、余計な湿気も排出してくれます。
因みにこのトップサポートはヤマハピアノ現行品番では「YUS」シリーズにしか付いていない拘りの機能です。bシリーズの価格帯でこの機能が付いていることは、我々スタッフにとっては驚きでした。
●b121のハンマーに関して
画像はb121の内部、弦を打つハンマーの画像。
このハンマー、白(柔らかい毛)とエンジ色(硬い毛)の2層になっているのですが、強く鍵盤をたたくと内側の硬い毛が効きしっかりした音に、ゆっくり弾いた際は外側の柔らかい毛が効き優しい音に、という表現の違いを付けることができます。
過去のヤマハ製品で新品40万円台のピアノにこのハンマーが採用されていることは珍しく、インドネシア工場で製造しコストを押さえることで、b121のハンマーはランクの高い仕様にすることが可能になりました。(b121のみ)
●b113のコンパクトさ
B113のメリットはなんと言ってもコンパクトさ。背の高さだけでなく奥行も53㎝と大きなピアノに比べ10㎝以上小さいボディは、重量も200㎏届きません。(194㎏) 「重たいものは置けなくて…」というお悩みも、「大人4人(50㎏×4人=200㎏)が立っていて抜ける床はございません」とお伝えし、ご購入に至ったお客様もいらっしゃいました。
●鍵盤蓋について
メーカーサイトでの写真だけだと、『鍵盤蓋どうなってるの?』と思ってしまうと思うのですが、実は、内側に折りたためるように、真鍮の蝶番が4つついています。譜面台にも採用されていますが、折りたためることにより、楽譜を置いたときに角度が付き安定するほか、木材を曲げる加工を省くことによって、価格を押さえてピアノを制作することができるのです。(大東楽器仮説)
最近の住宅事情や練習環境により電子ピアノが人気を集めていますが、本物の音はやはりアコースティックでしか味わう事ができません。倍音や心地よい唸りが感じられるので、電子ピアノの購入をお考えの方にも比較検討して頂きたい商品になります。